はなの症状|那珂川市片縄の耳鼻咽喉科|みみ はな のど かたのクリニック
はなの機能・構造
鼻は構造的に外鼻、鼻腔、副鼻腔に分かれます。外鼻は鼻の形を維持する骨格と皮膚からなります。
鼻腔は鼻中隔により左右に分かれており、内部は複雑に入り組んだ構造をしています。
上・中・下鼻甲介といわれる板状のでっぱりがあり、呼吸の際に空気の流れや量を調節しています。また嗅裂といわれるにおいのセンサーがあり、届いた空気に反応します。
副鼻腔は頬、おでこ、目の間に存在する骨に囲まれた空間で、鼻腔につながっています。
鼻には加温、加湿、生体防御、嗅覚、声の共鳴といった機能があります。
鼻がつまる
鼻腔や副鼻腔、鼻中隔に発症する疾患が原因となることが多いですが、薬剤が原因となることや、鼻の後ろのスペース(上咽頭)に狭窄の原因となる疾患が存在することもあります。
いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となる場合があります。
考えられる疾患
鼻水がでる
鼻汁は正常な方でも鼻腺から1日1L以上分泌され、加湿や異物の吸着といった役割を果たしています。種々の原因により過剰に分泌され、症状として自覚された場合鼻漏といい、漿液性、粘液性、膿性、血性鼻漏などがあります。
考えられる疾患
- 鼻炎(アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎、薬剤性鼻炎、肥厚性鼻炎等)
- 副鼻腔炎
- 副鼻腔真菌症
- 老人性鼻漏
- 鼻腔異物
- 鼻副鼻腔悪性腫瘍
- 多発血管炎性肉芽腫症など
くしゃみがでる
正常な方でもみられることがあり、鼻腔粘膜の異物除去作用の一環として生じ、生体防御に重要な役割を果たしています。しかし、1日に数10回に及ぶようなくしゃみは病的要因も考えられ、アレルギー炎症に伴う鼻腔粘膜上皮の障害や、大気汚染物質などの環境因子、寒暖差等による刺激などが原因として考えられます。
考えられる疾患
鼻水がのどにおちる
後鼻漏(こうびろう)といわれ、鼻の奥の違和感が嚥下運動等の排除動作でとれない、咳や痰といった症状を来します。また、後鼻孔ポリープや振子様扁桃、鼻咽腔腫瘍によっても同様の症状を来す可能性があります。
考えられる疾患
においがしない
嗅覚の受容器は嗅裂(きゅうれつ、両眼の間)に存在しており、そこから嗅神経を介して脳に伝わります。
嗅覚障害の原因としては嗅裂ににおいの分子が届かない気導性嗅覚障害、中でも慢性副鼻腔炎が最多です。また、認知症等の脳疾患でも嗅覚伝導路に障害があると同様の症状を示すことがあります。味覚の一部は嗅覚に依存しているため、嗅覚障害の方は風味障害(味が薄く感じること)を合併することがあります。
考えられる疾患
異臭がする、臭い
悪臭症は主に上気道の炎症性疾患(扁桃炎や副鼻腔炎など)や腫瘍が存在する場合に、病巣の悪臭を感知して生じます。
異臭症は嗅覚低下や嗅覚障害に合併し、におい刺激がない状態でにおいを感じる自発性異臭症と、別のにおいに感じたり何をかいでも同じにおいに感じる刺激性異臭症があります。
嗅覚過敏は、原因となる器質疾患はなく心因性もしくは精神疾患の一症状と考えられており、嗅覚低下や脱失を合併することは無いといわれています。
考えられる疾患
鼻血がでる
90%の鼻血はキーゼルバッハ部位(鼻中隔前方の血管が発達した部分)からの出血であり、短時間の圧迫や自然経過で止まることが多いです。血管には動脈、静脈、毛細血管とありますが、動脈性の出血や鼻の奥の方からの出血では止血に難渋し、全身麻酔で止血術を必要とする場合もあります。また、鼻いじりや鼻かみ、くしゃみなどの刺激も鼻出血の原因となります。
考えられる疾患
- 鼻炎
- 副鼻腔炎
- 鼻風邪といった鼻副鼻腔疾患
- 出血しやすい疾患(動脈硬化、高血圧、糖尿病、血友病、白血病、血小板減少症、肝臓・腎臓疾患)など